ピクレルジュラの今更これを聴け
text by ピクレルジュラ もどる
第5回 デレクアンドドミノス/いとしのレイラ

レイラですよ。クラプトンですよ。2枚組でも
良いものは良い。
デュアン・オールマンとか参加メンバーも良い。
カール・レイドル、ボビー・ウィットロック、
悲劇のドラマー、ジム・ゴードンも良い。クラプトン
以外みんな南部人。1970年の作品だもんね。
やっぱ南部がトレンドだったのね。
これが名盤といわれるゆえんは曲が良い事、
そしてジャムセッションで練られたアレンジの良さ、
かね。
ボックスセットでプリプロのセッションの様子が
明らかになったが、完成したトラックにくらべると
ほんとにセッションでしかなくて、その後かなり整理
しながら録音したように思える。
ストラトの音も最高だ。アンプはフェンダー?
…いいやこんな話はデータはもう良い。
ギターばかり話題になるけどボビーの歌がすごく好きだ。
たよりないクラプトンの歌を朗々とした男の歌で
支える感じがたまらん。
曲が良いと書いたが、タイトルチューンが昔から
好きになれない。あのリフは確かに印象的だが、
歌メロが弱くて、リフに負けてるような気がして
ならない。後半のジム作曲(本当は盗作らしい)の
ピアノの部分もとってつけたような気がしてならない。
何か悪い意味でハードロック的なサウンドも、他の
曲から浮いているような気がする。(ジミヘンのカバー
リトルウイングも浮いているけど)
この曲が嫌いでこのアルバム聴いていない人、
結構いるように思う。もったいない話ですが。
この曲をアルバムのハイライトという人も逆に
多いけど、どうだろね…
友人の妻に惚れようが正直、どうでもいいしな。
それにクラプトン、スケベだから、パティの妹とも
この頃関係あったらしいし。
クラプトン、スケベ情報は結構有名で一頃は
来日のたびに川崎のソープに通っていたらしい。
この話を聞いてからというもの、レイラのリフの
メロで「あわおどりだよーん」と脳内で歌う癖が
ついてしまった。だから余計この曲の過剰な
センチメンタリズムに感情移入できない。なんか
笑っちゃう。
でも本当、他の曲はいいんだ。特にベルボトム
ブルースとか恋は悲しきものとか最高です。
2枚組みだもん、2曲気に入らなくても
他が全て良いんだからやっぱ名盤と呼ぶことに
異議はないねぇ。
あ、スケベだからと言ってクラプトンを
軽蔑したりはしてないですよ。一応書いとくけんど。
むしろ人間くさくて良いと思います。笑えるし。
ギターは好きですよ。クリームからこのアルバム
までは。結構コピーもしましたよー。他の誰より
役に立ちましたよ。応用が利くんですね彼の
スタイルはね。メジャーペンタとマイナーペンタを
両方交互に使う技もクラプトン先生から学びました。
この技、かつてはロックの世界で常套だったのが
最近やる人減ったので、私、ガリレィサークルでは
意識的に多用してます。
それにオサレだよね。そこは認めないと。良い男だし。
それにきっと、グルメだぜ。ベックは甘党で子供の味覚、
ペイジは安さ優先の食事、のような気がする。でも
クラプトンは女くどくために、おいしい店を探し、
自分も舌が肥えていると見たね。
ブログで原宿にあるお店を「世界一好きなレストラン」
と紹介していた。いつも来日するとここでチキンカツ
食べるらしい。私もチキンカツ好きなんで、その店の
場所調べて、(一応書いとくがひとりで)行って見ましたよ!
いかにも良さげな(やれそうな)綺麗なお店。でも休みだった。
そのうち再チャレンジします。
1. アイ・ルックト・アウェイ
2. ベル・ボトム・ブルース
3. キープ・オン・グロウイング
4. だれも知らない
5. アイ・アム・ユアーズ
6. エニイデイ
7. ハイウェイへの関門
8. テル・ザ・トゥルース
9. 恋は悲しきもの
10. 愛の経験
11. リトル・ウィング
12. イッツ・トゥー・レイト
13. いとしのレイラ
14. 庭の木
第6回 リチャードヘル/ブランク・ジェネレーション

南部つながりから離れて?
NYパンクからリチャードヘルです。
でもヘルも実はアラン・トゥーサンと関わり
あるんだよね。まぁブランク・ジェネレーション
出したあとの話だけんど。
このアルバム現行CDではジャケが改悪されてる。
なんでかなぁ。オリジナルかっこいいのに。
良く言われることだがパンクファッションはヘルが
考案したのだ。ピストルズは真似したのだ。
もっともこの盤はいわゆるパンクとは少し違う。
また、やたら下手とか言われるがどこが下手?
みんなメチャ上手いぜ。ギターの二人は勿論、
ヘルの歌だって上手いと俺は思うがな。まぁ、
「もうひとつの」上手さだけどさ。
誰も指摘しないようだが、ディランの影響も
強いように思う。歌い方とかさ。
ギターの音がいいね。ギター本来の音って
こんなもんだ。小さめのアンプをフルテンにしたような
音だ。そういう意味では、60年代
ガレージパンクの70年代版みたいな感じもする。
lawな感じ。余計な調理なし。
またハウリン・ウルフみたいなブルースのアウト
サイダー的な感じもする。そう、この盤全体に
ブルースの香を感じる。もちろん白人なりのもの
だけどね。ビーフハートにも似てると俺は思う。
白人がブルースやってもなりきれない感じが
好きな俺としては、ヤードバーズ、ビーフハート
そしてジョン・スペンサーなんかと、つい並べて
考えちゃう。
パンクの元祖というレッテルはヘルの音楽
の本質をわかりにくくさせてしまう。
今聴けばかえってわかりやすいかもね。
そういえば、1977年に出てるんだけど、なぜか
10年後の87年あたり、日本でこの盤の評価
急上昇し、日本盤アナログが新宿のレコード屋の
注文で再プレスされたのだ。帯もオリジナル
通りでさー!俺もそのとき買ったんだけどね。
そのレコード屋が密かに作ったと思うんだけど、
ブートまで発売された。ロンドンでのライブだった。
これも買ったよー。結構良かったよ。この頃
西新宿頻繁に行ってたな。
90年代にはいってすぐ来日公演もあった。
川崎クラブチッタ。明らかにリハ不足。これは駄目
だった。
カセットのソロアルバムも買ったなぁ。自分結構ヘル
のファンだったのだと再認識。
しかし「俺はからっぽの世代に属してる」とか、カッコ
いいなぁ。やっぱ詩人ですね。ライバルのトム・バー
ラインはギター上手いけど、歌詞はヘルには負けてるような
気もする。バーラインは「ベルレーヌ」の英語読みだけど
芸名としてはどうなんだろ・・・。ランボーやセリーヌへ
コンプレックスを抱いてマーキームーンみたいなロマン描くより、
バカっぽい「地獄」とか名のってアイム・ユア・マーンとか歌って
いいじゃん。こういうセンス、ヘル以前にはあまりなか
ったかも。ぺダントリーや芸術気取りより、ホントは頭良いのに
わざとバカっぽく悪趣味な感じがいいねぇ。
そうか!今気付いたが、バーラインはヘルの作詞の才能が
脅威だったのだ。だからテレヴィジョンから追い出したので
はないかな…ベースが下手という理由は建前でさ…(かなり妄想。)
故ロバート・クワインの気持ち良くアウトするギターも
この盤がベスト。ルー・リードとやっているときより
格段できの良いプレイ。
映画はイマイチらしいが、この盤はいまも必聴なんだね。
是非お勧めします。
あ、映画で思い出しましたが、80年代初頭のアメリカン
ポルノ映画で「ニューウェーブ・フッカー」というしょうも
ない映画があります。ヘルとは関係ないんですが、なんか
イメージがダブります。
大学時代の友人(ちなみに女性)からこのビデオ借りて見た
時期にヘルの音楽を聴いていたからかな…
ニューウェーブを聴かせてヘンになったところでやっちゃう
という…脱力しそうなアレなんすが。
ポルノとしては当時の一線級の女優が出ているらしい。
トレーシー・ローズとか、ジンジャー・リンとかがそうらしい。
洋物本来苦手なんで詳しくないけんど。
まあ筋なんてこの手の映画ではどうでもいいのかもしれんが
主人公のチンピラ男が少しヘルとダブるんですね。こんなとこ
注目して見てどうする…
1. Love Comes In Spurts
2. Liars Beware
3. New Pleasure
4. Betrayal Takes Two
5. Down At The Rock And Roll Club
6. Who Says?
7. Blank Generation
8. Walking On The Water
9. The Plan
10. Another World
11. I'm Your Man
12. All The Way