ライナーノートを待ってる間のライナーというかキコリレコードの9年と犬風十何年と諸々。構想1年半製作? 制作側から見た「箱犬/犬風」
By キコリレコード経理部員 今井
只今2011年 年明け。キコリレコード入魂の企画「箱犬」も出荷まで残るところ、円盤田口氏の解説を待つのみとなりました。田口氏には10枚組のサンプル盤を予備知識何も無しに渡して、コメントをお願いしたのですが、コメントでなく解説文を書いて下さるとの事で我々(キコリレコードスタッフ・・・2名)はとても楽しみにしています。それはさておき、このボックスについて内側からの情報が何も無いのも不親切かなと思いまして、田口氏の解説を待つ間を利用して、淡々と事実を中心に書いてみようかと思います。このボックスを手にした方で、「いやいや、私は音があればいいです」という方は読まないもよろし、聞いた後に読むもよろし。色々想像しながら読んで聞くもよろし。
(*そしてそれから数ヶ月・・・・。今4月。地震後・・。見切り発車決定。田口さ~ん・・・)
・・・・・
やっぱり聞く前は読まないほうがいいかも・・・。
○結局箱・・・何故箱・・
2009年某月某日電話会議。
犬:大阪じゃテープ売れなくてね
今:ほう、大阪ではテープが流行っとらんのか
犬:で、今までのんをまとめてCDRにしようかと思うんだけど
今:お~、テープが売れんのじゃしょうがないなあ。大阪じゃ。じゃあまとめて箱で
犬:箱で!(又箱つくるんか・・)
今:恥ずかしい映像も付けて
犬:・・・・
今:値段は69で
犬:ロックで・・
*脚色あり
ということで、どうも大阪ではテープは流行ってないらしい。我々キコリレコードも容姿はだんだん(既に)おっさんですが(私だけ?)心持ちだけは頑固おやじになってもしょうがないので、ここは柔軟にテープ以外も出していきましょうということでこの企画ははじまりました。何しろテープが聞けないんじゃしょうがなし。大阪では・・。
*東京でも売れてません・・・・
○ボックスセット・・・についてのよくある質問(捏造あり) fromカスタマーセンター
Q:何様?
A:お犬様もしくは箱の王様
Q:死んだの?
A:生きてます!
Q:引退?
A:現役です!
Q:スターなの?
A:多分恐らく・・・。当社一押しです!
Q:部屋で、かさばりそうなんですが
A:テープ10本よりコンパクトです(当社比)。又、この箱は国内の信用ある工場にて製作しておりますので小物入れとしても末永く使っていただけますので安心してご購入ください。
Q:カーステで聞いても大丈夫ですか?
A:やめといたほうがいいと思います。いろんな意味で。
まだまだこれからも作品を出し続けるであろう犬風さんの作品をここでまとめるというのも、不思議な事かもしれませんが、ひとつの区切りということで。しかも、何から聞けばわからんという人はすごく親切な企画では!奇しくも発売が延期延期となったおかげで、今年2011年はキコリレコード9周年の年!ということで、只今から、このボックスセットをキコリレコード9周年記念作品といたします。嗚呼なんだかアーカイブする理由が出来た・・(←ひとりごと)
以下、discごとにつらつらと・・・自分中心なので,記憶違い、妄想含みます
*曲目等省略。ケース裏を御覧ください。
DISC1
DISC1はキコリレコードあ4 としてリリースされた「イヌデモイヌカゼ」の全曲を収録。因みにこのボックスは、リリース順ではなくほぼ制作(演奏)の時期順になっていますので90年代後半のこの録音が最初になっています。「イヌデモイヌカゼ」は、犬風が犬風として活動を始めるに当たって製作したデモで、ライブハウスや友人たちに配られたもの(確か)。今後変遷していく過程の原型がすでに詰まっているように思います。ずっと歌い続けている名曲人気曲「つながるロウソク」も既に完成された形で収録されています。これが作られた頃私は犬風を知りません。下北沢(当時)の犬小屋でこれを背中を丸めて(想像)食事もせずに(妄想)多重録音してる姿を想像すると泣けてきます。私だけ?今回CDRにするにあたって多少の音量調整などしています。松●零士には内緒にして欲しいです。
DISC2
DISC2は2002年に限定20枚(←弱気)で発売されたCDR 「クララの夕暮れ」と同内容です。2001年下北沢屋根裏のミキサーからのライン録音(多分)。内容が気に入っていたので何時か出したいと思っていたと本人の弁。
エレアコで当時の代表曲弾き語り。DISC1にも収録されている’つながるロウソク’のライブバージョンから始まります。私はこのライブは見てないです。多分。ジャケットは赤の他数色ありました。
DISC1から2の間、数年開いていますが、この間、FLANGE HOUSEより3枚のCDR作品を同時(!)リリースしています。これらの作品も今回収録するか迷ったのですが、これは‘FLANGE HOUSE DAYS’として、いずれリリースすることにしました。
この後キコリレコードからのリリースがはじまります。
DISC3
DISC3前半はkikororecordsあ2 より。チカーノ・アルマジーロ(=犬風)監督のサイレント映画「チョコレート・リバー」のサウンドトラック。映画は今はなき高円寺のフリースペース‘ボントワレ’で当時私(今井)が企画していた‘盗聴ナイトクラブ’というイベントで4回ほど上映されました。毎回違う人間が生で音をつけるという趣向で第一回が犬風さんでした。つまり監督自らによる音効。
後半はkikorirecordsあ7「アルマジロの背中でフォークダンス」より。キコリレコードを続けていくにあたって、録音も自前でやらねばならぬ必要性から直前に初めてHDレコーダーというものを購入して試行錯誤していた頃。ゲストの川村啓氏(アパラチア)と3人で吉祥寺スタジオ分家にてかなりゆるい雰囲気で1日で録音したと記憶しています。アルマジロについて何か思い入れがあるのか・・・?質問したことありません。ラジオドラマもすべて声色など犬風さんの細かい指示がありました。あったはず。あった(やらされた)と思いたい・・・。
DISC4
前半は kikorirecords あ6 犬風+グロプチン「バヂーヤリマショウ」から。後半はその3年後高円寺円盤にて「再びバヂーヤリマショウ」、いずれもライブ録音。2002年、急逝した友人 バヂーこと鈴木龍男氏を追悼したライブ。
バヂーはよくライブを見に来てくれた友人で、毎回、歯に衣を着せぬ感想を言ってくれる貴重な存在でした。後半の演奏は珍しくピアノ弾き語りですが、これはもう、何か降りてきたとしか思えない演奏でした。はっきり言って犬風さん、普段はこんなにピアノうまくないです・・(←失礼)。
DISC5
kikorirecords い4 INUKAZE 「Oh! distemper」
から全曲+1。キコリレコードからは初めてのフルアルバム。前述した録音機材の扱いにも慣れてきた頃。ほとんど、テレキャスターにフェンダー・デヴィルを直結したシンプルなブルースアルバム(犬風なりの)を作ろうと週末何度も下北沢ワダスタジオに機材を運びこんで録音。なんかすごい緊張感だったと記憶してます。完成したときは、やった~という感じでした。ここまで来たぜキコリレコードって・・。おまけの1曲は同じころ同じスタイルで録音した物。当時定期的にvegapop,cocoon pit,ボロキチ、犬風の4組でUFOクラブで開催していた、企画ライブ‘RRH’にて無料配布されたオムニバスCDRより。蛇足ですが、フェンダーデヴィルは犬風さんの愛用のアンプ。青い台車はそれをいつも運んでる台車(徒歩)。雨が降ると大変・・。
DISC6
前半はkikorirecords う4 犬風 「太陽のイスタンブール」から全曲。後半は同時期の録音メンバーによるライブ。このアルバムは(当時は)独りのイメージが強かった犬風にしては珍しくバンド編成による録音。、ドラムとトランペットは元ボロキチのファッ休こと吉田岳夫君。1回くらいリハをやってベーシックを録音。吉祥寺分家にて。かなりゆるい雰囲気のなかで当時トランペットを初めたばかりの吉田くんに、犬風と二人であそこも、ここもと、吹いてもらいました(本人もだんだんノリノリ)。後半のライブはそのまんまほぼ同じレパートリー。音に現れてるかはわかりませんが、本人たちは精魂尽き果てるほど良い(疲れた)ライブだったのです・・・。お客さん1桁くらいだったけど。
DISC7
kikorirecords う5 いぬかぜ 「プラッチックの夕暮れ」、kikorirecords う6 イヌカゼ 「ゲンシ」の2つのミニアルバムより。いずれもパーマビート氏との共同作業による録音。パービー氏は犬風さんの友人で長身男前のベーシスト。この2作品には独特のサイケな雰囲気が漂っています(当社比)。完成まで全く内容を知らなかったので、お気楽に楽しみに待っていました。聞いてみて、これどうやって録音したんだろうとか、いつのまにアレしてコレしたんだ~みたいな、今でも不思議なことが色々。
個人的には’オムライス’が白眉(←意味あってるかな?)。
DISC8
限定CDR「オレハドッグ」より。
2005年5月22日高円寺円盤でのワンマンライブでの録音。身近なバンドのカバー、意外なカバー、珍しくカバーが多いライブ。犬風関西移住一歩手前の気分が色濃く出たライブだと思います。実はこのCDRを製作するに当たり私のMC部分をカットするように懇願しましたが受け入れられず(笑)。ライブそのままを収録しています。
この日のことは妙にはっきりと覚えています。ハルモニウムが重かったこととか・・・。個人的な話ですみません。
DISC9
Kikorirecords え4 犬風「湿った犬の香り」から全曲+未発表デモ2曲。2007年録音。大阪移住後初の作品で久々のリリース、久々のフルアルバム。今のところ(2011年4月現在)ソロでは最新作。在阪のレーベル、ギューン・カセット、スハラケイゾウ氏との共同作業。この作品に関しては自分は録音には全くタッチしていないので、その様は想像妄想するしかありません。恐らくちゃんと(常識的に・・)録音したのではないかと思います。で、なかなか恥ずかしいお願いとか出来なかったり、緊張したりしたのでは?マスターもらって、すげ~な~、がんばったな~と思いましたよ。しっかっし、この力作を実際聞かれた方は恐らく30人くらい?(・・・流通担当ゆえ知ってる現実)。あ~もったいない。この時点で大阪ではテープが売れないということに気づいていれば・・。おまけ(?)の2曲は東京でのイベント用に録音して送ってきてくれた2曲です。マスターを作るギリギリまで存在を失念していたのですが、偶然発見。
力が抜けた感じで面白いなと収録しました。
DISC10
最後は’いぬHK’映像集です。とはいえ、犬風さんが普通にライブをしている映像はありません。別に意地悪ではなく、ライブは、直接見に行ってください~ということで。
遠方の方は呼んでください。
で、収録されているのは、プロモ風アニメとか(・・しかも何故かカバー多し)、もう2度とは無さそうなライブ映像など。とりあえず観てみてください。けっこ面白いと思うのですが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1時間経過したとして・・・
DVDを見ていただいたとして・・・
多分これ見た方結構?(ハテナ)だと思うのです。
「なんでこんなプロモビデオ沢山作ってんねん~」
「自分マニアか・・・?」
という声が聞こえてきそうです。
で、そのように思っていただいても面白いかなと思い、書こうか迷ったのですが、事実を書きますと、これらのビデオは犬風さんが関西に移住後、毎月東京で継続して行われているキコリレコードのイベントのために制作して送ってくれていたものから、抜粋したものなのです。東京にいる我々は毎月イベント(ライブ)前にこれらのビデオを鑑賞していました。お客さんが殆ど犬風さんを知らない日はなんともくすぐったいような雰囲気が・・・。それでも視聴後は知らない方にも好評だった気もします(思い出の美化)。
で、諸事情でこの映像の贈り物は1年くらいで終わったのですが、今回1回きりでは勿体無いと思い音楽もののみ収録しました。ちなみに音楽物の他は所謂ホームビデオでした・・・。でも何故か全く犬風さんを知らない方にも受けてました。ホームビデオのほうが・・・。
○〆
以上で諸々だらだら回想おわりです。
最後に皆さん気になっててもなかなか聞けないことを犬風さんに質問してみたいと思います
Q:なんで犬風って名乗ってるんですか?
犬:・・・・・・今はまだ言えない
(*捏造です。すいません・・・)